


今日の関西学院で「国連」ということばを聞かない日はない程、本学の学生は国連とのつながりを身近に感じている。これはひとえに諸先輩の努力の賜で、他大学ではみられない現象といえよう。
まず特記すべきは田島幹雄氏(※)である。田島氏が自らの国連憲章精神を尊重する人生を若者に伝えたい、と始められた教学科目の数々が本学総合政策学部では現在も開催されている。田島氏のミッションを引継ぐような形で、母校・関西学院で教鞭をとられることになった現国連開発計画駐日事務所長の村田俊一氏は特に平和構築と地域レベルでの開発協力をわかりやすく、実例をあげて説かれた。
田島、村田両氏の指導の下、本学では2つの重要な国連関連プログラムが実施されてきた。国連セミナーと国連学生ボランティアである。前者はニューヨーク国連本部を訪問し、特に若手の日本人職員から国連機関で働くことの意義と現場の経験を学ぶ。後者は一学期をさいて途上国に駐在し、現地のUNVオフィスの指導の下、地域のNGO機関などで実務を担当する。この2つのプログラムは関西学院の国連との連携を示すシンボル的存在意義があるが、他にも国連難民高等弁務官事務所と協力して世界の難民問題を考えたり、神戸にある「人と防災未来センター」と協調して災害被害に対応する活動などもある。
また、総合政策学部では2006年より特別客員教員制度を導入し、国連の第一線で活躍された有識者をキャンパスに招き、特別講義を開設している。国連の各分野で幹部職員として成果をあげられた方をこれ程多く招聘している大学は他に例がない。
世界が直面する諸問題の解決に国連諸機関が万能薬でないことは歴史が証明している。しかし、もし国連なかりせば、世界はもっとひどい事態に対面していただろうと想像できる。地球規模で問題を捉え考え行動を起こすという総合政策学部のビジョンは関西学院のモットーである「奉仕のための練達」の具体策として促進されてきた。今日、本学全学で国連との連携活動を更に発展強化していくことが望まれる。
※元国連本部経済社会局官房長。現在は国連本部で「グローバル・コンパクト」のボランティア顧問並びに紛争解決NGOで活躍中。関西学院大学総合政策学部客員教授。
